健診で胸部に異常がみられた方へ

胸部レントゲン検査とは

みなさんが通常行う年に1回の健康診断では主に胸部レントゲン検査が行われます。胸部レントゲン検査とは次の写真のように胸部の写真を撮影するもので1枚の画像データになります。

わかりやすく言うと胸部レントゲン検査とはレントゲン撮影によるいわば「影絵」をみる検査になります。そのため胸部にあるいろいろな臓器の集合体がその「影絵」を作っているわけです。数ミリ単位での評価をおこなう胸部CT検査とは異なり悪く言うとなんとなく胸部を評価する検査ということになります。

R4/5月に開院後当院でもレントゲン検査での異常をみとめ受診されたかたはとても多いのですが、その中でも肺がんや本当に病気が見つかったケースはそのうちの数%の患者様のみでした。なんとなく胸部を検査している胸部レントゲン検査の場合、見る医師が少しでも異常がありそうと判断をしたら「要精査」とコメントし精密検査を行う流れになります。見落としがないように少しでも異常が疑われればやや過剰にでも異常と判断をしてひっかける、というスタンスになるのが胸部レントゲン検査による健診の対応になります。

 

もし健診での胸部レントゲン検査で
異常となったら

非常に心配になると思いますが、まずはなるべく早めに胸部CT検査を受けるようにしてください。前述の通り健診胸部レントゲン検査でひっかかったかたの多くのかたはCT検査をすると問題がありません。胸部には血管や肋骨など様々な臓器が存在するためたまたま濃く見えているだけのかたが多いのです。
CT検査が施行可能な医療機関へ速やかに受診をして胸部CT検査を受けてください。
CT検査は10秒程度で撮影することが可能でMRIのように15分から30分かかる検査ではございません。閉所恐怖症がある患者様でも施行可能なことが大半です。 
また近年撮影による被爆をより低減させる技術が発達しており、身体へのダメージもほぼなく安心して受けられます。肺の評価にあたっては造影剤という薬を使用しなくても十分に評価が行えるため検査としてのリスクはございません。

肺がんや結核などの重要な疾患を
見逃さないことが大事です

しかし残念ながら少数のかたは肺がんや結核などの病気がみつかるかたもいらっしゃいます。CT検査ではミリ単位での肺の評価ができるため正確に評価が行えます。
全ての病気において早期の発見であることに越したことはありません。不安で悩む前に淡々とCT検査を受けていただくことをおすすめいたします。早期の肺がんを認めた場合は手術による治癒も望めるようになります。

胸部CT検査では
ほかに何がわかるの?

胸部レントゲン検査で異常とされた部位の正確な評価のほかにも胸部CT検査では肺全体を評価することになるため、「たばこを吸われているかたで肺が溶けてしまう肺気腫という病気がないか?」や肺全体を見まわして「早期の(レントゲン検査にも映らないような)肺がんがないか」などもチェックができます。
近年では肺ドッグとして胸部CT検査を自費検査で行っている施設も多く患者様は約15000円を支払って検査を数年に1度などのペースで受けているかたもおられます。健診胸部レントゲン検査で異常になったかたはCT検査が保険診療で受けられることになり胸部CT検査が4500円程度で施行可能になります。
これを期に是非CT検査を受けていただきいろんな意味で得をしていただきたいと思います。

 

CT検査機器をもっている
クリニックでの受診の場合
すぐに結果がわかります

日本ではCT検査機器をもっていないクリニックがほとんどです。健診での胸部レントゲン異常と結果が届き、その結果を「CT検査機器を持っていないクリニック」にもっていった場合の対応は下記になります。

  1. クリニックから総合病院へ紹介状を書き予約をとり、後日総合病院にてCT検査
  2. 結果がクリニックに郵送されてくるためさらに後日に結果を聞きに行く。

ただでさえ健診で異常と言われて不安ななか結局クリニックに受診をしてから1週間以上も結果を効くまでに時間がかかってしまいます。忙しい現代人にとってこれでは効率が悪すぎ、結果として受診の遅れや診断の遅れにもつながる可能性が出てきてしまいます。
一方で「CT検査機器をもっているクリニック」で受診をすると来院後すぐにCT撮影をし、10分後には医師より画面をみて結果を説明できることになります。30分かからずに以上のことが完結します。当院でもCT検査が即日可能です

当院のCT検査の特徴

前述のように当院ではCT検査が即日可能です。
来院後に院長より問診を行わせていただきすぐに放射線技師によるCT検査を行います。
当院の常勤の放射線技師は女性の技師さんです(土曜日は非常勤での対応のため男性の技師さんとなります)。
そのため女性の患者様も安心をして検査を受けていただけます。
CT検査結果は数分で閲覧ができるようになるため、検査後すぐに呼吸器内科専門医・総合内科専門医である院長より画像のご説明ができるよう努力いたします。
また当院はCTなどの画像の遠隔読影専門の「SEM」という会社と契約をしており、経験のある放射線画像診断専門医によるCT画像のダブルチェックを全例行っております。
数日後にCTの詳細な読影レポートが完成することになっております。肺や肺以外の肝臓や腎臓、骨など全ての臓器においても専門的にみてくださるため見落としがないようチェックをしていただいております。これにより胸部CTをしたけれどもたまたま甲状腺や腎臓や骨に異常を指摘された、ということも珍しくありません。患者様には撮影の1週間後に再度御来院をいただきレポートを直接お渡しするようにしております。それによりかなりの数の患者様は安心されます。遠方からお越しのかたは読影結果を郵送することも可能です。
頭部CTや腹部CTなどの検査も可能です。胸部のCTも含めて緊急性があると判断をした場合は上記の放射線画像診断医の緊急の読影も可能です。その場合はCT読影レポートの結果が1時間程度で出来上がります。

健診で胸部レントゲン検査で異常と判断されたかたは是非当院へご相談していただけますと幸いです。
スピード感をより重視し患者様の不安を解消し安心につながるよう努力いたします。

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